総領事のシアトル見聞録 第1回

自己紹介と、シアトルの第一印象

初めまして。山田洋一郎と申します。大村昌弘さんの後任として、6月2日に在シアトル総領事として赴任しました。私がアメリカで暮らすのは2度目で、2001年から2004年までニューヨークで働いて以来となります。私の家族は家内と8歳の息子を合わせて3人家族です(加えて、2歳になったパナマ・アマゾンという種のインコのポリーがいます。この種の中型インコは寿命が60-70年あると言われていますし、人間の言葉を「話す」ので、4人家族と言い換えても良いかもしれません)。
 

我々は、シアトルに来る前は3年8か月、ベルギーに住んでいました。皆さんご存知のように、チョコレートとビールが美味しいことで特に有名な国で、実際、かなり小さな町に行っても手作りの工夫したチョコレートを作っているお店がありますし、ビールの種類は1500以上あると言われていて、夏の週末などには、テーブルの上にビールの銘柄ごとに異なるグラスが並び、老若男女が談笑する姿がどの街角でも見られました。
 

ベルギーの前には、我々はケニアに3年間住んでいました。ケニアと言えば、有名なのはマサイ・マラなどのサファリ・パークで、野生のライオンやゾウなどを見ることができます。他のアフリカの国々と同じく、ケニアでは人口が急速に増加し、都市化が進み、人々の生活は決して豊かとは言えません。ですが多くのケニア人は部族語、スワヒリ語、英語の3か国語を自由に操り(!)、人前で話をさせると立派なプレゼンをします。時には教科書すら満足にない農村の小学校で、小学校の子どもたちが英語の劇を演じているのを何度も見ました。この優秀な人たちがなぜ低い生活水準に甘んじなければならないのか。私の勤める外務省の中では、アフリカで勤務すると人生観が変わると言われます。私もその例にもれず、ケニアでの勤務以来、アフリカの開発問題にはずっと関心を持ち続けています。

シアトル空港では、シアトル港湾局のカリン・ザウグさんや国土安全局の係官の人達が出迎えてくれ、入国を支援してくれました。空港では、この新しい土地がオープンで、親切で、ダイナミックで、多様性に満ちていて、太平洋的であると感じました。空港で受ける第一印象はとても大切で、大抵の場合、その空港のある都市の自分とのその後の関係を示唆するように思います。到着直後の週末に、街を歩いてみて、この好ましい印象はますます確かなものとなりました。

総領事の仕事は、赴任した土地の事情をよく理解して、日本とその土地のよき橋渡し役をすることだと思います。そのためには、その土地の多くの人と知り合いになり、その土地の多くの日本人と知り合いになる必要があります。自ら人と繋がり、そして人を繋げること。このような絆の輪を広げていくことで新しいことが始まりますし、またもし問題が発生しても、深刻になる前に解決するきっかけが見つかりやすくなります。

太平洋に面したワシントン州には1万4000人の日本人と8万人の日系人が住み、歴史的にも現在も日本との深いかかわりがあります。また内陸州のモンタナ州も熊本県と活発な姉妹関係をもち、日本が重要な貿易相手国になっています。まだまだ、知らないこと、分からないことだらけですので、まずは皆さんとどんどんお会いしてお話を伺い、自分が何をすべきかを理解して、行動に移していきたいと思います。何か御相談事があれば、総領事館に声を掛けてください。どうぞよろしくお願いします。