安全の手引き
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国際化の進展とともに、海外で生活する日本人(在留邦人)は現在約125万人に及び、うち米国に生活する日本人は約42万人で全体の約3割を超えています。また、海外へ渡航する日本人は年間約1,750万人にものぼり,年間約300万人以上の日本人が米国へ渡航しています。 こうした中、世界各地で日本人が事件や事故に巻き込まれるケースが多発しており、その数は、大使館や総領事館に届出があっただけでも年間17,000件を超え、シアトル総領事館の管轄地域(ワシントン州、モンタナ州、アイダホ州の一部、以下「当地」)でも、残念ながらこうしたケースが毎年数多く報告されています。 海外での生活やせっかくの旅行を楽しみ、充実したものにするための最も重要なキーワードは「安全」です。つまり、安全なくして有意義な海外生活・旅行は成立しないということです。 本手引きでは、当地での生活や旅行にあたり、安全を確保するための重要かつ基礎となる防犯の心構えや注意事項を取り上げています。地域の事情をも考慮して作成した資料ですので、是非ご一読頂き、生活及び滞在の参考として下さい。
当地における治安情勢の目安として、ワシントン州の犯罪発生状況を見てみましょう。 ワシントン州は、全米の中では比較的治安が良いと言われています。しかし、これはあくまで「全米では」という条件付きで、殺人・強盗等の凶悪事件や空き巣等の侵入窃盗事件は、人口は東京都の約半分(52.1%)に過ぎませんが、日本とは比較にならないほど多発しています。
この中でも特筆すべきは、検挙率の低さです。ワシントン州内の主要な犯罪の検挙率は殺人,誘拐が5割を超えているほかはいずれも5割以下に止まっています。これに対し東京都を管轄する警視庁は(非侵入)窃盗の検挙率がワシントン州のそれを下回っていますが、その他の主な犯罪の検挙率は7割から9割に達しています。
2013年ワシントン州の犯罪認知件数と検挙率と、東京都との比較は下表の通りです。
主な罪種 |
WA州(2013年) |
検挙率 |
東京(2013年) |
検挙率 |
殺人 |
129 |
62.8% |
94 |
100% |
強盗 |
4,260 |
30.8% |
466 |
78.1% |
強姦 |
1,414 |
30.1% |
191 |
89.0% |
略取誘拐 |
712 |
56.3% |
14 |
92.9% |
(重)傷害 |
9,007 |
49.7% |
3,252 |
69.4% |
侵入窃盗 |
39,574 |
10.2% |
7,756 |
78.9% |
窃盗 |
125,970 |
17.4% |
110,213 |
16.8% |
出典:「ワシントン州保安官・警察署長協議会」編「Crime in Washington 2013」,「警視庁の統計」
参考:東京都の人口:13,202,041人、WA州人口:6,883,148人
また法制度が異なるため統計上の比較は困難ですが、銃器を使用した凶悪事件の多さも顕著です。ギャングメンバー同士による抗争発砲事件やけん銃を使った殺人・強盗事件は毎日のように発生しております。
まず、自分と家族の安全は「自分達で守る」という意識を持つことが大切です。そのためには、
「安全のための3原則」
①目立たない、②行動を予知されない、③用心を怠らない、
を常に心がけて下さい。

つまり、地元の人が身につけないような派手または高価そうな装飾品を身につけて歩いたり、行動をパターン化して犯罪者の犯行を容易にしたり、生活の慣れによって、注意すべきこと、例えば自宅や車の施錠などを怠ったりしないということです。
そして、これら基本的な心構えを持ちつつ、これから 説明することを参考に、防犯上十分な注意を払うようにしましょう。
- 住居での防犯
- 住居の選定
- 生活上の注意事項
- 来訪者に対する注意事項
① 来訪者は、その訪問が予定されている人でも、 必ず、のぞき窓等で本人であることを確認してか
ら、ドアを開けましょう。
② 来訪者が見知らぬ人であったら、できる限りドアを閉めたままの状態で、用件を済ませるように
しましょう。
③ 来訪者には、必ず返事をして留守と思われないようにし、また、できれば家の中にたくさんの人がいるように装いましょう。
④ 電気・ガス・水道・電話などの修理・取り付け工事人などの場合も、ドアを開ける前に、窓越しに身分証明書の提示を求めて確認しましょう。 - 電話応対上の注意事項
① 知らない人から家族のことを尋ねられても、不用意に話さないよう、普段から家族で確認し合っておきましょう。
② いたずら電話がかかってきた時は、何も言わずにただちに電話を切りましょう。
③ 留守番電話をセットする時は、「日曜日の7時まで戻りません。」など、具体的な予定を明らかにするメッセージを録音しないようにしましょう。
住居選びにあたっては、自分ひとりで判断することなく、地元に長く居住し事情に詳しい人の意見を聞くことが大切です。
住居選びには、居住する地域が安全であることが第一条件となり、一般的に次のような場所や家は避けたほうが賢明と言えるでしょう。
① 道路にゴミが散乱しており、建物や塀に落書きが多い所
② 多くの家が鉄格子などで厳重に囲われている所
③ 庭の手入れが極端に悪く、荒れ放題の家が多い所
④ 玄関が道路から見通せない家
⑤ 玄関周辺に樹木が生い茂っている家
⑥ 街灯等照明設備が不十分な所
アパートを選ぶ場合は、管理がしっかりしていて、防犯設備の整った物件を選ぶことが大切です。例えば管理人がいて、建物やガレージへの出入規制が行われているなどです。また、居住者の様子も確認し、不安を感じるようであれば、その物件への入居は避けたほうがよいでしょう。
生活する上で特に気を付けなくてはならないこととして、次のようなことが挙げられます。
① 家のドア、窓にはしっかりした錠をつけ、常に施錠することを習慣にしましょう。たとえ短時間の外出でも、錠をかけることが大切です。
② 玄関が道路から常に見通せるよう、植木等の手入れをしましょう。
③ 前庭や玄関には十分な照明設備をつけましょう。
④ 家の合鍵を、玄関マットの下や植木鉢の下などに隠すのはやめましょう。信頼のおける近所の方に預かってもらう方が賢明です。
⑤ 夜間外出するときは、室内の明かりをつけておくなど、誰かが家にいるような印象を与える工夫をしましょう。また、旅行などで長期間留守にする場合は、タイマーなどを使い、夜間一定時間明かりがつくよう工夫することも大切です。
⑥ 外出から帰宅した際、家に何者かの侵入形跡が認められたら、不用意に中に入ることなく、まず、警察に通報しましょう。
- 車を使用する上での防犯
米国で生活する上で車は欠かせないものですが、車に関わる犯罪も多く発生しています。
特に自動車盗や車上ねらい(車の中の金品を盗むこと)が目立ち、いつ、誰が被害にあってもおかしくない状況にあります。総領事館には、時折パスポート盗難被害の報告がありますが、事情を伺うと、車の中にパスポート等を入れたバッグを放置して、車上ねらいの被害に遭ったということも多くあります。
また、最近では、高速道路等でのけん銃発砲事件が目立ちます。その多くは、走行上のトラブルが原因ですが、中には、理由もなく何者かにけん銃で撃たれるといったケースもあります。さらに、車の運転者を狙った強盗や強姦などの凶悪事件も発生しています。
このような犯罪の被害に遭わないために、次のような注意が必要です。
- 運転中は
- 駐車する場合は
- 駐車した車に戻る時は
① 車を運転するときは、必ずドアをロックするようにしましょう。
② 運転中に、不審な車が後からつけてくるような場合は、まず交通量の多い大通りに出て、それから公共施設やショッピングセンター、警察署などを見つけて逃げ込みましょう。
③ 交差点等で停車中、見知らぬ歩行者等から声をかけられても、不用意に窓を開けてはいけません。無視してそのまま走り去りましょう。特に夜のシアトルのダウンタウンでは、薬物の密売人が徘徊しており注意が必要です。
④ 走行中は、別の車との無用なトラブルを避けましょう。また、異常な走行や様子のおかしい車からは、離れて走行するようにしましょう。① ガレージの中でも、必ず車のドアをロックしましょう。またガレージの錠をかけることも忘れないようにしましょう。
② 車を路上に駐車するときは、人や車の交通量が多い場所を選びましょう。交通量が少ない場所は、危険と考えたほうが無難です。
③ 夜間、路上や屋外駐車場に車を駐車するときは、照明設備のある明るい場所を選びましょう。
④ 駐車した車から離れるときは、必ずキーを抜き、窓をすべて閉め、ドアをロックしましょう。
⑤ 貴重品は車内に残さないようにし、やむを得ずバッグ等を置いたままにしなければならないときは、あらかじめトランクの中や見えない場所にしまっておきましょう。
⑥ 携帯型カーナビ(GPS・取り付け器具含む)を窓ガラス等に取り付けたままの状態で車を離れることは避けましょう。
⑦ 車内にガレージ・オープナー(ガレージ用リモコン)を置いたままにしておくことは避けましょう。車上狙いの犯人が、車の登録証等で自宅住所を調べ、ガレージ・オープナーを利用してガレージから自宅に入り、空き巣を働く犯行例も報告されています。
⑧ パーキングメーター等で駐車料金を支払う必要がある場合は、あらかじめ車の中で小銭を準備し、車外に出たらすばやく支払いを済ませましょう。① 駐車した車や、その周辺に異変がなく、不審な人物がいないことなどを確かめながら車に戻りましょう。
② 予めキーを取り出しておき、すばやく車内に入り、ドアをロックしましょう。また、その際車内(特に後部座席)の確認を必ず行いましょう。
- バス利用時の防犯
通勤、通学など外出の際に、バスをよく利用する方も多いと思われます。バスは、一般的には安全な公共交通手段といえますが、時には、バスの中でつい居眠りをしてしまい、腕に抱えていたはずのバッグ等を盗まれてしまったという被害も発生しています。
バスを利用する際、自分の身や財産を守るためには、次のような注意が必要です。
① バス停は、できる限り利用客の多い場所を選びましょう
② バスの到着(出発)時間に合わせ、バス停での待ち時間は、できるだけ短くしましょう。
③ バスの料金は、バス停に向かう前に予め準備しておきましょう。間違っても、バスに乗ってから、他の乗客の前で財布を広げて、お金を取り出すことのないようにしましょう。
④ できれば運転手に近い前の方の席に座るようにしましょう。
⑤ 車内が混んでいるような場合は、2人掛けの席に1人で座らず、自分が安心できる人の隣に座るようにしましょう。一人で座っていると、どんな人が隣に座ってくるかわかりません。
⑥ バッグ等は座席に置かず、しっかりとひざの上に抱えましょう。
⑦ バスから降車する際、怪しい者が跡をつけてくるようで不安に感じるときは、そのバス停を乗り過ごし、安全な場所で降車して迎えを呼ぶなどしましょう。
⑧ 車内で居眠りをしたり、財布の中身を数えたりすることはやめましょう。
- 路上での防犯
全米的に犯罪の発生件数は減少しているとは言うものの、都市部では凶悪事件の発生が多いことを認識しましょう。最近の路上犯罪で特に目立つのは、携帯音楽機器や最新型の携帯電話端末を狙った路上強盗事件で、こうした事件が昼夜を問わず多発しています。歩行中にこうした機器を使用し、または携帯電話端末でいわゆるメール等をすることは、周囲に対する注意・警戒力を鈍らせるばかりでなく、犯罪を企む者に財物の所持を宣伝しているようなもので、格好のターゲットとなってしまう可能性があります。現に、こうした機器を使用しながら通りを歩いていた日本人が、いきなり背後から暴行を受け、強盗被害に遭ったケースも報告されていますので、こうした機器の使用には十分な注意を払う必要があるでしょう。
日本に比べ、路上における事件発生の割合が極めて高いことを自覚し、次のようなことに気をつけましょう。
① 常識に従って行動しましょう。過剰な冒険心は、自分を危険に陥れるだけです。
② 都市部のダウンタウンでは、人通りの多い道を選んで歩くようにし、昼間でも独りで人気のない路地や駐車場、公園内に不用意に入るのは避けましょう。
③ 多額の現金を持ち歩かないようにしましょう。また、不用意に他人に現金や財布を見せないよう気をつけましょう。
④ バッグ等を持って歩く際は、しっかりと身につけ、可能な限りタスキがけの状態で持つなど、ひったくりには十分注意しましょう。
⑤ 人通りの少ない場所・時間帯に、携帯音楽機器を使用しながら、または携帯電話端末の操作をしながら歩くことは避けましょう。こうした機器を使用しながら移動することは、周囲に対する警戒力を鈍らせ、犯罪者にとって格好のターゲットとなる可能性があります。
⑥ 常に周りに気を配り、異変を感じたら、すぐにその場から離れましょう。
⑦ 夜間の独り歩きは危険ですので避けましょう。
シアトル市内では、パイクプレースマーケットに近い「Pike St.とFirst Ave.及び2nd Ave.」の交差点、「Pioneer Square」周辺、シアトル市南部の「Rainier Ave.」 周辺、市南西部「White Center」周辺には危険な場所があるので、日没後はできるだけ近づかないようにした方がよいでしょう。
⑧ 冒険心からヒッチハイクをするようなことは、犯罪に巻き込まれる可能性も高く危険です。見知らぬ人の車に乗ったり、知らない人を車に乗せたりしないようにしまし ょう。 (ワシントン州では路肩でのヒッチハイクは法律で禁止されています。)
⑨ 車の故障を装って手助けを頼み、強盗・誘拐等を行う事件の発生もありますので、そのような場面に遭遇しても、一人の時は安易に近づかないようにしましょう。
- ホテルでの防犯
安全と言われているシアトルでも、ホテルに滞在する場合は、次のような点を心掛けましょう。
① チェックインしたら、まず非常口の位置を確認しましょう。
② 部屋を空けるときは、テレビ等をつけたままにして、部屋に誰かが居るように装うことも効果的です。
③ 外出の際は、滞在先ホテル名、住所、部屋番号を再確認しましょう。
④ 部屋にいるときは、必ずドアを閉めて鍵をかけ、さらにドアチェーンをするようにしましょう。
- 置引き対策
多くの旅行者等が被害に遭っているのが「置引き」です。空港(チェックインカウンター付近、荷物引取所、手荷物検査所等)、ホテルのロビー、レストランなどで多く発生しており、その手口は、椅子の背に掛けられたハンドバッグ類や床に置かれた荷物を持ち去る等、ちょっとしたスキを狙った単純なものです。
このような置引きの被害に遭わないために、次のことを心掛けましょう。
① 貴重品は出来る限り身につけ、バッグ等に入れておかないようにしましょう。また、現金を分散して持ち歩く工夫も必要です。
② バッグ等の荷物を座席取りに利用してはいけません。レストランやホテル等でのビュッフェ形式の飲食の際は、貴重品を入れたバッグ等を置いて席を離れることのないようにしましょう。グループの場合は、誰かが席に残って荷物を見ているようにしましょう。
③ 荷物引取所などちょっとした待ち時間が生じたときにスマートフォンを空港のコンセントに接続して充電をしたままその場を離れ、その場に置いておいた 他の貴重品とともに盗難に遭う事案が発生しています。できるだけ空港内でスマー トフォンなど電子機器の充電は控えましょう。
④ 空港やホテルでのチェックイン手続き等の際は、アタッシュケースやハンドバッグ等の荷物を不用意に床に置くことのないようにしましょう。 団体旅行で周囲に多数の仲間がいる場合でも、所持品を手元から離さないように常に心がけることが必要です。荷物を置いてその場所を離れなければならないときは、家族等信頼できる人に荷物を預けるようにしまし ょう。
⑤ 空港の手荷物検査等で荷物をX線検査機に通す場合も、自分の荷物から目を離さないようにしましょう。
- 特殊詐欺対策
当地でも日本と同様に振り込め詐欺やオレオレ詐欺に類似した特殊詐欺が多く発生しています。電話やメールなど相手が見えないものから金銭の授受を持ちかけられた場合には、まずは落ち着いて「もしかしたら詐欺かもしれない」との意識を持って、金品を手放す前に必ず複数の関係者に確認を取るなど十分慎重に行動してください。以下に最近の特殊詐欺の手口を紹介します。
① 米国内国歳入庁(IRS)を騙る者が「税金滞納につき支払義務がある。支払に応じないと身分上の不利益を被ることがある。」などと電話をしてくる手口。プリペイド式デビットカードや銀行送金での支払を督促する(IRSはこのような形式で支払を督促することはありません)。
② 親族を騙る者が「旅行先で交通事故に遭った。」「薬物売買でギャングに脅されている。」などと電話してくる手口。外国から国際電話を使用してくる場合が多い。
③ 個人広告サイトを通じて品物を販売しようとしたところ,買い取り希望者を騙って電話やメールしてくる手口。オンライン決済サービスを騙る支払い済みメールなどを用いて信用させようとする。
④ 手紙を通じ実在の銀行を騙って、「当行の調査により遠縁の親戚の遺産相続の権利があることが判明したので連絡してほしい。」と持ちかける手口。銀行の名称や住所は実在しても、担当者の電話番号は犯人らのもので、電話を掛けさせて個人情報を引き出したり、口座保護(プロベイション)名目で手付け金を振り込ませたりする。
- 誘拐対策
当地では、日本と比べ児童対象の誘拐事件が多く発生しています。小さなお子さんがいらっしゃる方は、日ごろから次のようなことに気をつけるようにしましょう。
① 子供を独りで外出させないようにしましょう。
② 子どもの衣類や持ち物の目立つところに、子どもの名前を記載したり表示するのは避けましょう。名前で話しかけられると、気を許してしまうおそれがあります。
③ 知らない人から声をかけられても、ついていってはいけないと、常に子供に言い聞かせましょう。
④ 外出時は子供から目を離さないようにしましょう。
⑤ 近所付き合いを密にし、子供を守る環境作りに心がけましょう。
- その他
- 旅券(パスポート)の盗難
- 旅券(パスポート)盗難の場合の措置
旅券(パスポート)の盗難・紛失の場合には、再発給には通常2~3週間を要します。旅行中に盗難に遭い、または紛失した場合は、管轄の警察署への届け出や、事故証明書の入手等の手続きを自分でしなければならず、旅行計画も大幅に変更せざるを得ないことにもなり、せっかくの旅行が台無しになってしまいます。くれぐれも旅券は紛失したり、盗まれたりしないよう注意してください。
旅券を盗まれた場合は、直ちに最寄りの警察署に届け出のうえ、盗難に関する事故証明書(Police Report)を入手し、総領事館に旅券の再発給申請をしてください。
申請に必要な書類や詳しい申請手続きについては、総領事館までお問い合わせください。また、総領事館ウェブサイトでもご覧いただけます。
万一に備え、旅券はあらかじめコピーを取っておくか、旅券番号等の記載事項を手帳に書き留めておくと良いでしょう。また、所持金の全てを旅券と一緒に所持せず、一部は別に所持しておくことが望ましいでしょう。
旅券、所持金、航空チケットがすべて入ったバッグを盗まれ、総領事館に助けを求める旅行者の数も少なくありません。
- 交通事情
- 交通事故対策

シアトル周辺の交通事情は決して良いとは言えず、全米でも有数の交通渋滞がひどい地区とされています。特に交通が集中する朝夕の通勤ラッシュ時は、シアトル周辺のハイウェイのあちこちで渋滞が発生しています。
運転マナーは他の都市と比べ良い方だといわれており、シートベルトの装着率は全米で1、2位にランキングされるほどです。それでもハイウェイでの死亡事故を含む交通事故は多発しています。特に雨で視界が悪い日は、必ずといってよいほど、ハイウェイで事故が発生しています。
また、シアトルのダウンタウンは、一方通行が多い上に交通量も多いので、旅行者等地理不案内な場合は、あらかじめ地図、カーナビ等で目的地やルートを確かめてから運転することをお勧めします。
車社会のアメリカでは、誰もが事故に遭う可能性があります。ワシントン州で車を運転する場合は、賠償責任保険の加入と加入証明書の携行が義務づけられています。万一に備え、十分な保険に加入することをお勧めします。
事故に遭った場合は、次のように対応しましょう。
① 負傷者がいる場合には、救急車の手配など、負傷者の救護を行います。
② 直ちに警察に通報しましょう。
③ 事故の相手及び目撃者の住所、氏名、電話番号を確認、記録しましょう。
④ 相手の車の登録番号、車名、モデル、登録年等を記録しましょう。
⑤ 相手の運転免許証番号、保険会社名、保険証番号を確認、記録しましょう。
⑥ 双方の車の損害個所を確認、記録しましょう。
⑦ 写真撮影による証拠保全のために、ダッシュボード内に「使い捨てカメラ」を備えておくのもよいでしょう。
- 災害が起きる前に
- 緊急災害キットの準備
- 保険証書・契約書・譲渡証・株や国債・遺言
- パスポート・社会保障カード・予防接種の記録
- 銀行口座番号・クレジットカード番号・貴重品のリスト
- 住所・電話録
- 災害が発生したら
災害は、いつどこで起こるかわかりません。また、災害が起きた時、考える時間がなく即座の対応を迫られるかも知れません。また、冬の嵐で自宅に閉じ込められたり、地震、洪水、竜巻など、災害によってガス、水道、電気、電話が何日も不通になるかも知れません。
災害発生後、救助隊が来るまでに数時間、または数日間かかることも考えられます(当地緊急事態当局は、その目安を72時間としています)。生きていくために必要なものが供給されないという事態が発生するかも知れません。助けを待つ間、ご家庭では災害に対処する備えがあるでしょうか?いざという時に備え、緊急災害キットを準備しておきましょう。
○チェックリストをご活用ください。
○必需品を備蓄する‐自宅から出られない状況も念頭に入れましょう。
○6種の必需品‐水・食品・救急医薬品・衣類や寝具・道具や生活用品・特殊ケア用品
○避難する場合の非常持出品は、持ちやすい入れ物に入れておきましょう。
○チェックリストに※で印してあります。
○ご家族の防災プラン-火災・地震・風水害に備えて、家族で話し合いをしましょう。災害の危険さをお子様に伝えてあげてください。家族の役割分担を決めておきましょう。
○集合場所を2箇所決めておきましょう。
① 自宅の外(火事などの場合)
② 自宅周辺地域外の場所、家族全員が住所と電話番号を確認しておきましょう(自宅に戻れない場合)
○州外の親戚や友人に「家族の連絡先」になってもらいましょう。災害発生時には、長距離電話の方がかかりやすい場合があります。災害時には、この方に電話をして居場所を伝えましょう。また、災害時においては携帯電話がつながりにくくなりますが、その場合でも携帯電話の「テキストメッセージ」は使用可能な場合があることを知っておきましょう。
○避難場所や避難道路の確認、ペットについても話し合っておきましょう。
緊急災害キットチェックリスト 6種の必需品を備蓄し、非常持出品はゴミ容器など大きなプラスチック容器・リュック・ダッフルバッグなど運びやすい入れ物に入れておきましょう。非常持出品は、※で印してあります。 |
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水 |
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□非常用水(1人1ガロン(飲料水、生活用水含む)× 最低3日分※![]() |
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食品類 |
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□果物・野菜・調理済み肉類の缶詰 □缶入りジュース・ミルク・スープ (粉末の場合、その分の水) □高カロリー食品‐ピーナッツバター・ジャム・クラッカー・グラノラバー・トレイル・ミックス等 □心の安らぐ食品‐クッキー・飴・加糖シリアル・インスタントコーヒー・ティーバッグ等 □調味料‐砂糖・塩・こしょう □ビタミン等のサプリメント □幼児・お年寄りの食事、特別食 |
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救急医薬品 |
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□ばんそうこう
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□毛抜き □針 □ウェットティッシュ □三角ばんそうこう □消毒薬 □体温計 □舌圧子 □安全ピン □ゴム手袋 □鎮痛剤 □胃腸薬 □吐根シロップ(嘔吐誘発;中毒事故管理センターに使用を勧めら れた場合) |
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道具・生活用品 |
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□皿・コップ・フォーク等※ □懐中電灯・予備電池※ □缶切り・ナイフ※ □チューブ型簡易テント □テープ □マッチ(防水加工の箱) □プラスチックの容器 □紙・えんぴつ □薬用スポイト □笛 □周辺の地図(シェルター確認) |
□携帯ラジオ・予備電池※ □現金・チェック・小銭※ □小型消火器 □ペンチ □コンパス □アルミホイル □信号炎管 □針・糸 □スパナ □敷物 |
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衛生用品 |
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□トイレットペーパー・ウェットティッシュ※ □生理用品※ □ゴミ袋・結び紐※ □除菌剤 |
□石鹸・液体洗剤※ □ハブラシ・マスク等の個人衛生用品※ □ふた付きのプラスチック製バケツ □家庭用塩素系漂白剤 |
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衣類・寝具 |
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□頑丈な靴・作業用ブーツ※ □毛布・寝袋※ □保温性のよい下着 |
□雨具※ □帽子・手袋 □サングラス |
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特殊ケア用品 |
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幼児※ □調合ミルク□哺乳瓶 □薬 □オムツ □粉ミルク |
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大人※ □心臓や高血圧の医薬品□処方箋医薬品 □コンタクトレンズ・備品 □娯楽品‐ゲームや本 □インシュリン □入れ歯用品 □予備眼鏡 □家族の重要書類‐防水ケースに入れておきましょう。 |
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焦らず落ち着いて行動し、ご家庭で話し合ったプランを実行に移しましょう。
怪我をした人に応急手当をし、助けを呼びましょう。
ラジオでニュースや指示を聴き、避難の指示が発信された場合は、体を防御する衣服としっかりした靴を身に着けて避難しましょう。
ご自宅の破損状態を点検する際の注意点 |
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○懐中電灯を使い、マッチや電気スイッチを入れるのは待つ。 |
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その他 |
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○ペットの保護 |
- 在留届の提出
- 飲酒に関する注意
- 公共の場での喫煙
- マリファナの使用
- 児童虐待
3か月以上引き続き国外に滞在される方は、滞在地を管轄する総領事館に在留届を提出することが法律で義務付けられています。帰国、転居の際にも、その旨総領事館まで連絡してください。在留届の用紙は総領事館に備え付けてあるほか、外務省のホームページ「ORRネット」(※)を利用し、インターネットにより届出することも可能です。
在留届は、大災害発生時等緊急時に総領事館から連絡をする場合や、本邦のご家族等に連絡する必要が生じた場合等に活用されており、大変重要なものです。
※ http://www.ezairyu.mofa.go.jp/
ワシントン州の法律では公園、路上などの公共の場所で、法令上許容規定がないのに飲酒した場合、罰金を科せられます。また、21歳未満(20歳の飲酒も禁止)の飲酒は禁止されており、違反した場合には厳しい罰則が課せられます。
飲酒運転に対する姿勢は、他の州に比べても厳しく、警察の検査で、血中または呼気 アルコール濃度が0.08パーセント以上の場合は、飲酒運転とみなされ、人身事故を起こさない場合でも、最長1年の禁固刑、及び/または1,000ドルの罰金、最低30日間、最高1年間の免許停止となるほか、様々な制限なり義務を課せられることとなります。さらに、運転中に飲酒すること、また、実際に飲酒していなくても車中に蓋の開いたアルコール飲料を置いていることも違法です。これは、同乗者の場合も同様です。
ワシントン州では公共の場(一般の建物の中を含む)での喫煙は禁止されており、ビルなどの建物から25フィート(約7.6m)内での喫煙は禁止されていますので、注意してください。
ワシントン州においては、2012年12月6日より、21歳以上の者の1オンス(28.5グラム)以下の嗜好品としてのマリファナ所持及び、公共の場所以外での使用が合法となりました。ただし、これらの条件を満たさない場合のほか、無許可での栽培、販売は依然違法です。また、米国連邦法においてもマリファナはヘロイン等と同等の禁止薬物に指定されており、嗜好品としての所持、使用ともに違法となります。

「児童虐待」については、当地と日本との間では認識に大きな差があり、日本では許容されることでも、当地では時として「犯罪」として扱われることがあります。例えば、言うことを聞かない子供の頭を人前で叩いたりする
こと、乳幼児や小さな(緊急時に対応する能力のない)子供に
監督者(子守り)を付けずに留守番をさせること、また、買い
物等をするときに、乳幼児を一人残して車から離れたりすることなどがこれに該当します。このような場合、当該乳幼児または児童を当局が保護すると同時に「児童虐待」の容疑で親の身柄が拘束されることもありますので、十分な注意が必要です。
1.警察・消防・救急車(緊急) 911
※ 電話がつながった際に、「ジャパニーズ・プリーズ(Japanese Please)」と言えば、日本語通訳につないでもらえる。
2.警察(シアトル地域・緊急以外)
シアトル市警察本部:(206)625-5011
シアトル港湾局警察本部(シアトル・タコマ空港管轄):(206)431-3490
※ これら全ての医療機関に通訳が常駐しているわけではなく,急患には対応できない場合がありますので,最寄りの医療機関にあらかじめ問い合わせることをお勧めします。
○ グループ・ヘルス「Group Health」
住所:① Bellevue
11511 N.E. 10th Ave., Bellevue, WA 98004
:② Redmond
15809 Bear Creak Parkway, suite 100, Redmond, WA 98052
電話:①・②共通(425)883-5078
○ バージニア・メイソン・メディカル・センター「Virginia Mason Medical Center」
住所:1100 9th Ave., Seattle, WA 98101
電話:(206)223-6600(代)、(206)709-7777(通訳サービス受付)
○ スウェディッシュ・メディカル・センター「Swedish Medical Center」
住所:747 Broadway, Seattle, WA 98122
電話:(206)386-6000
○ チルドレンズ・ホスピタル「Seattle Children's Hospital」
住所:4800 Sandpoint Way NE, Seattle, WA 98105
電話:(206)526-2000(代)、1-(866)583-1527(通訳ライン)
○ ワシントン大学メディカル・センター「University of Washington Medical Center」
住所:1959 NE Pacific St., Seattle, WA 98195
電話:(206)548-3300、(206)598-4425(通訳サービス受付)
○ ハーバービュー・メディカル・センター「Harborview Medical Center」
住所:325 9th Ave., Seattle, WA 98122
電話:(206)223-3000
○ 在シアトル日本国総領事館(Consulate-General of Japan, Seattle)
所在地 601 Union St.,Suite 500, Seattle, WA 98101
電話 (206)682-9107 FAX (206)624-9097
夜間・休日の緊急時:総領事館に電話すると、「JAN(ロサンゼルスの緊急センター)」に転送・応対します。
ウェブサイト
http://www.seattle.us.emb-japan.go.jp/japanese/index_j.htm
【近隣の外務省在外公館】
○ 在ポートランド領事事務所(Consular Office of Japan in Portland)
所在地 2700 Wells Fargo Center, 1300 S.W., 5th Ave., Portland, OR 97201
電話 (503)221-1811 FAX (503)224-8936
ウェブサイト
http://www.portland.us.emb-japan.go.jp/
○ 在バンクーバー日本国総領事館 (Consulate-General of Japan, Vancouver, B.C.)
所在地 800-1177 West Hastings St., Vancouver, B.C., V6E 2K9, Canada
電話 (604)684-5868 FAX (604)684-6939
ウェブサイト
http://www.vancouver.ca.emb-japan.go.jp/index_j.htm