大村総領事新年挨拶
平成28年1月1日

昨年は、戦後70年の節目の年でしたが、日米にとっても大変意義深い年となりました。4月には安倍総理が日本国総理として初めて米国連邦議会上下両院合同会議にて演説をしました。日米安全保障同盟は更に強化され、10月には日米のリーダーシップにより環太平洋パートナーシップ協定が大筋合意に至りました。日米関係は新たな段階に深化したのだと思います。
日本と当地との関係でも大きな動きがありました。9月にはジェイ・インズリー・ワシントン州知事が50年以上姉妹関係のある兵庫県を皮切りに訪日ミッションを展開しました。10月にはたつの市とコビントン市との間で日・ワシントン州で36番目となる新たな姉妹都市提携が誕生しました。昨秋、私はモンタナ州を訪問し、スティーブ・ブロック知事と日・モンタナ州の緊密な関係を確認しました。
こうした中、昨年大変嬉しい出来事がありました。三菱リージョナルジェット(MRJ)の初飛行の成功です。私もウェブ中継でその離陸時の美しい姿を見て大変誇らしい気持ちになりました。MRJは、日本初のジェット旅客機ですが、これまでの受注機の80%以上が米国の航空会社からであり、昨夏シアトルに設立されたエンジニアリングセンターにおいて当地パートナー企業と協働して開発を進めており、また、ワシントン州の企業からも多くの部品が供給されています。MRJは「ワシントン州・米国と共に開発し共に造る」航空機なのです。いよいよ、今年からはモーゼスレイクを拠点に試験飛行を開始する予定です。MRJが当地の空を飛び回る日を心待ちにしております。
強固な日米関係を更に深化させていくためには、国レベルの取組みに加え、地方レベルでのきめ細かい対応が重要になってきます。このために当館は本年もより一層の努力をして参りたいと考えています。皆さま方におかれましても、引き続きご理解・ご協力を賜りますようお願いします。
皆さまの今年一年のご多幸とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
2016年1月
在シアトル日本国総領事 大村昌弘
在シアトル日本国総領事 大村昌弘