総領事の見聞録第27回

JAL成田便とデルタ関空便の就航


写真提供:日本航空

前回の更新から3か月も経ってしまいました。1月は体調を崩して肺炎にかかってしまってしばらく寝込み、シアトルでは70年間で最大の降雪に見舞われた2月は、雪かきなどをしているうちに一足飛びに過ぎ去りました。再開後の見聞録はこの話題から!この春から、日本とシアトルとをつなぐ直行便の数がなんと今までの2倍になります。
 

日本航空の成田・シアトル便再開を祝う祝典
 
3月14日、日本航空の成田・シアトル直行便の開設を祝う式典が大々的に行われました。日本航空は30年前にはシアトルとの直行便を運航していましたが、バブルの崩壊後の1992年には旅客需要の減少から運航を止めました。一方、大シアトル圏はここ10年ほどの間に全米一の急成長を遂げました。ワシントン州の経済は、ここ5年の間、全米平均を2%も上回る経済成長を記録してきました。シアトルの人口は2009年の60万人から昨年は72万人に増加し,シアトル大都市圏の人口は350万人を超えました。シアトル周辺では、アマゾン、マイクロソフト両社を中心に、人工知能やライフサイエンスなどの分野で多くのスタートアップ企業が生まれています。
 
JALの初フライトを捉えたアプリケーションの
スクリーンショット!
 
これらの企業に勤めるハイテク研究者やエンジニアの間には、日本文化に関心を持ち、日本を観光地として選ぶ人が沢山います。また、長年イチロー選手が活躍したマリナーズの本拠地であるシアトルは、一般の日本人の間でとても人気のある街です。昨年、シアトルは、日本との間に往来する旅客数で全米の都市の中で第5位を誇る都市になりました。このような需要の高まりを背景に、JALは27年ぶりとなる成田・シアトル便の再開を決定し、シアトルに戻ってくることになったのです。そして,3月31日,シアトル空港では初フライトの到着と出発を祝う式典が華やかに営まれ,私も出席させていただきました!
 

JALのイベントにおける挨拶

それに先立つ2月28日には、公邸でデルタ航空の関西空港直行便開設を祝う式典が行われました。デルタ空港は既に成田空港への直行便を運航しています。関西空港に乗り入れることには大きな意味があります。兵庫県とワシントン州は姉妹州・県ですし、シアトル市と神戸市も姉妹都市。ワシントン州の市で兵庫県の市と姉妹関係のあるところは全部で13あり、特に夏の間は観光旅行のほか、姉妹都市の相互交流でホームステイする人たちなども沢山います。京都や広島といった人気ある観光地を集中的に回るなら、大阪を拠点にした方が効率的で便利です。それに、関西は昔からビジネスの盛んな土地で、多くの優良企業の出身地ですし、新しい企業も数多く生まれています。
 

トニー・ゴンチャー氏(デルタ航空シアトル支社副社長)

デルタ航空のイベントでは、ジャズピアニストの大江千里さんが出演し、お客さんたちは明るい曲やじっくり聞かせる曲のピアノ演奏に聴き惚れていました。有名な寿司職人の加柴史郎さんがカウンターで握ってくれたお寿司を頬張ったり、日本人パイロットと客室乗務員と一緒に記念写真をとることができるなど、サービス精神たっぷりのイベントでした。
 

大江千里氏(ジャズピアニスト)

これで、3月31日から、ANA、JALの日本の二大航空会社のいずれもシアトルとの直行便を運航することになります。すでに毎日成田に飛んでいるデルタ航空と、夏期間限定の同社の関西空港便を合わせると、4月から10月までの間は、日本とシアトルを繋ぐ路線は今までの2倍になります。
 

 
日本を訪問する外国人の数は、2013年に1000万人を超え、16年に2000万人を、18年には3000万人を突破しました。日本政府は、東京でオリンピック・パラリンピック大会が開かれる2020年に4000万人以上の外国人訪問者を呼び込む目標を立てています。これからは、日本で山奥の温泉に行ったらシアトルから来たという観光客にふと出会った、などという機会も増えるかもしれません。そのとき、その外国人が「ワシントンから来ました」と言ったならば、その人が言ったのがワシントン州なのか、首都ワシントンなのか、注意して聞いてください。有名なのは首都の方ですが、さて、どちらの方がより魅力的なワシントンなのでしょうか? 私に言わせれば答えは明白です。答えがわからない人は、どうぞこの夏にシアトルに飛んで来てみてください。