【2021年1月1日】稲垣総領事新年のご挨拶
令和3年1月1日

新年明けましておめでとうございます。昨年8月末に在シアトル日本総領事として着任してから、はや4ヶ月が過ぎました。その間、レイクビュー墓地の日系兵士記念碑への献花やNVC Memorial HallやPanama Hotelなど旧日本町を訪れて当地の日系アメリカ人の深い歴史に触れました。また、10月5日には,シアトル日本庭園の銀杏植樹式に出席しました。当日は、日米修好百年祭にあたる1960年に皇太子明仁親王殿下と美智子妃殿下(現在の上皇上皇后両陛下)がシアトルをご訪問され、桜と白樺を御手植えされてちょうど60周年の日でした。また,在シアトル総領事館は明治33年(1900年)12月22日に開館していますので,当館は120周年を迎えました。ワシントン州と日本の間には今日のヨコの関係だけでなく、1834年に日本人が足を踏んで以来187年という歴史的なタテの関係も強いことを実感しています。
昨年は、新型コロナウイルスへの対応に終始しました。亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、患者を救うために命を賭して対応されている医療関係者の皆様と、人々の生活を支えるために懸命にご尽力いただいている皆様に心から感謝申し上げます。今年こそ、状況が改善することを切に願わずにはいられません。
パンデミックを一時的な悲劇的な出来事と片付けてしまうのではなく、私はむしろ、この危機を変化のための「加速器」にしなければならないと考えています。既に私たちの周りには、電子商取引/オンライン・ショッピングが台頭し、ビデオ会議が普及するなど、私たちの生活は大きく変化しています。ニューノーマルとも呼ばれるこの傾向は、効果的な治療とワクチンが利用可能になった後でも続くでしょう。
今日、世界はかつてないほど繋がっています。パンデミックや私たちが直面する多くの問題には国境がなく、多国間のアプローチが必要です。ちょうど10年近く前、東日本大震災に見舞われた日本を米国はトモダチ作戦により助けてくれたこと、そして各国が支援してくれたことを私たちはけ決して忘れることはできません。今回の危機に際し、私たちは、このニューノーマルという変化に対応しつつ、米国も含めた各国と国際的に協力しながら、感染症対策や経済的影響へも対応していくことが重要になっています。
ニューノーマルの下、日本とワシントン州・モンタナ州の友好関係を引き続き維持・発展させるよう、2021年も精一杯努めたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
令和3年1月1日
在シアトル日本国総領事 稲垣 久生
在シアトル日本国総領事 稲垣 久生