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シアトル日本語補習学校 中学高等学部卒業式における祝辞(平成24年3月17日)



 シアトル日本語補習学校中学部卒業生二十六名、高等学部卒業生九名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 来賓を代表して一言ご挨拶させていただきます。

 石黒校長先生、中本事務総長、杭田教頭先生、担任の村田先生、森下先生、成田先生、教職員の皆さま、一丸となってここまで、卒業生をご指導いただき、お疲れ様でした。

 ご父兄、PTAの皆さま、お子様のご卒業、おめでとうございます。補習学校は土曜日だけという限られた時間での学習のため、ご家庭でのご苦労も多かったことと思います。

 安藤学校運営委員長はじめ、ご来賓の皆さま、補習学校の学習環境充実のため、日頃より力強いご支援を頂き感謝申し上げます。

 さて、卒業生の皆さん、

 丁度一年前、昨年の三月十一日に東日本大震災が発生し、日本は地震、津波、原子力発電所事故という、三重の災害に見舞われました。この震災に関連して、私からは三点述べたいと思います。

 一点目は、日本人としての誇りです。

 大変厳しい状況の中、日本人はこの災害に真正面から立ち向かっていきました。岩手県大槌町では、震災当日、津波が押し寄せる中、消防団員が町を守る水門を閉めるために海へ向かい、水門を閉めた後、取り残された人たちを避難させようとした時、津波にのみ込まれ、その使命感故に尊い命を落としました。警察や自衛隊は寒さの中、黙々と救助、捜索活動を続けました。そして、被災者はお互いに助け合い、パニックに陥ることなく、秩序正しく行動をしました。被災地の方々は力を合わせて、日本人らしく、しっかりと頑張りました。こうした姿を世界の人々が見て驚き、賞賛の声が各国に広がりました。未曾有の災害に遭っても、被災者の方たちが立派な姿を示して頂いたことは、日本人として誇りに思うべきことだと思います。

 二点目は、学び磨く精神の大切さです。

 ご存知のとおり、日本は昔から天災・震災の多い国です。そうした恵まれない環境にあって、プレートテクトニクス理論に基づいて研究を重ね、世界一の耐震設計、地震予知技術と防災予知システムを築き上げてきました。今回のマグニチュード9の巨大地震にあっても、崩壊した高層ビルは無く、高速で走行していた新幹線も緊急停止し、乗客は全員無事でした。しかし、今回の震災では大津波が予測を超えた甚大な被害をもたらしました。そこで、この震災を機に、日本は地殻変動のみならず、古文書や地質などにも調査の対象を広げ、地震予知と津波防災の技術を更に高めようと努力しています。また、至らなかったところを率直に認め、挫けずに前進し、防災技術・計画を磨き、それを被災地の復興に役立てようとしています。こうした学び磨く精神は、日本人の大切な美徳の一つであると思います。皆さんはこれから高校や大学に進み、更に難しい学問に取り組むことになりますが、どうか最後まで諦めずに学び抜いていって下さい。

 三点目は、海外の友人についてです。

 大変有り難いことに、震災直後より、多くの国が日本を支援してくれました。皆さんが通う中学、高校の友達や、ここサマミッシュ高校の生徒たちも、日本に対する励ましのメッセージを送ってくれたり、義援金の募金活動をしてくれたものと思います。こうした支援の輪が広がったのは、日本がこれまで各国との間で信頼関係を築いてきたからに他なりません。これから日本にとって海外とのつながりは一層重要になってきますから、皆さんはアメリカで多くの友人を作ってほしいと思います。また、社会人になってから世界との架け橋となる人材に成長していってほしいと願っています。日米両方の言語と文化を学んでいる皆さんはそれが出来る立場にあります。皆さんが世界の中の日本人として活躍していくよう期待しています。

 本日は誠におめでとうございました。

平成二十四年三月十七日
在シアトル日本国総領事