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特別企画:シアトルの桜が国際宇宙ステーションで花開きました

 ―シアトル桜祭・日本文化祭実行委員会及び在シアトル日本国総領事館共同企画―


  桜は、日米友好の象徴として、全米各地に咲いていますが、今回、山崎宇宙飛行士及び独立行政法人宇宙研究開発機構 (JAXA)の協力により、国際宇宙ステーションでシアトルの桜が花開き、日米交流に文字通り花を添えることができました。



  国際宇宙ステーションで、どのようにシアトルの桜が咲いたのでしょうか?

   こちらのビデオをご覧ください。(外務省動画チャンネル MOFA Channel)
  <ビデオに使用の動画、写真のうち、©JAXA, ©JAXA/NASAと示しているものは、それぞれの機関が著作権を有しています。ご利用のお問い合わせについては、こちらのサイトをご参照下さい。>

  ビデオは約6分の長さで、シアトルの桜が宇宙に行くまでの経緯、桜の採取風景、実際の国際宇宙ステーションでの山崎宇宙飛行士及び野口宇宙飛行士によるシアトルの桜の花見の映像が含まれています。なお、このビデオは太田総領事夫妻着任レセプションで、参加ゲストに公開されました。(太田総領事夫妻着任レセプションの開催結果の概要はこちら) 
  2010年は、我が国が始めて公式の遣米使節団を派遣してから150周年の記念の年です。このような記念の年に、日米交流の象徴の一つである桜が、日米を含む象徴的な国際共同プロジェクトの場である国際宇宙ステーションで、初めて花開き、花見がなされたことは、日米友好の印として、大変意義のあることであると思っております。本プロジェクトにご協力いただきました、山崎宇宙飛行士及び独立行政法人宇宙研究開発機構 (JAXA)に対し、在シアトル日本国総領事館及びシアトル桜祭・日本文化祭実行委員会より、改めて感謝申し上げます。

 何故、シアトルの桜が宇宙に行くことができたのでしょう? その疑問に桜祭・日本文化祭実行委員会の佐々木タヅヱ委員長が 答えてくれました。 SakurainSpace

○どうして、山崎直子宇宙飛行士は、シアトルの桜を持っていってくれたのですか?
答: 2010年は、我が国が始めて公式の遣米使節団を派遣してから150周年の記念の年です。このような記念の年に、50年前、100周年を祝し皇太子であられた今上陛下が当地に行幸されたおりに御手植えになった桜や、シアトル桜祭発祥由来の桜など、日米友好所縁の桜の開花前の枝を宇宙に運び、宇宙で咲かせることが出来ないかという案が生まれました。
 生の植物を持ち込むのは、技術的にも準備時間的にも無理ですが、食料品としてならの可能性があることが藤森領事と山崎宇宙飛行士との交信で判明しました。 山崎宇宙飛行士からの桜湯は、という提案をいただき、桜湯用にシアトルの桜を塩漬けにして、 2010年4月5日に打ち上げられたスペースシャトル「ディスカバリー号」での宇宙行きが実現しました。

○宇宙ではどのようにして桜が開いたのですか?
答:無重力状態の実験房内に桜花を入れたピンポン玉サイズの水玉を浮かばせ、山崎宇宙飛行士、野口宇宙飛行士のお花見が実現しました。

○宇宙で桜の花は初めてですか?
答:桜の種を宇宙に持参し、持ち帰った種から育った宇宙桜はありますが、桜以外でも実際の花が宇宙にいったのは初めてと思います。

Seattle Sakura

○シアトルと日本人宇宙飛行士との関係は?
答:もともとシアトルは、ボーイングなど宇宙関係産業も強い地域です。2008年9月には、世界宇宙飛行士大会のため、星出宇宙飛行士がシアトルに来訪し、ワシントン大学で講演会が実施されましたが、限られた参加者への講演会であったため、当時の難波総領事の働きかけにより、同年12月に再来訪していただき、日本語学校、日本語補習校、航空博物館において、講演をして頂きました。 このJAXAとの交流をきっかけとして、総領事館の藤森領事のご尽力をお願いし、2009年桜祭では、ヒューストンの山崎宇宙飛行士とのテレビ会議が実現しました。 
  同年の桜祭テーマは「CENTURIES IN SPACE: Princess Kaguya to Moon Satellite Kaguya」として、現代のかぐや姫として宇宙に行く予定の山崎宇宙飛行士と、日本語を習っている子供達との日本語での会話も実現した他、JAXA祖父江氏による月の観測衛星「かぐや」の成果の紹介、児童の夢を乗せた紙コップロケット製作などを実施しました。

○シアトルのどこで咲いている桜が宇宙に行ったのですか?
答:当初、打上げ時期が3月であったことから、採取できる桜は限られると思われましたが、幸い今年は例年になく暖かく、桜もかなり早く咲き始め、打ち上げも4月に延びたこともあり、3箇所から採取しブレンドしました。具体的には、スワードパーク、ワシントン大学、シアトルセンターから、それぞれ許可を頂いた上で、収集いたしました。
  スワードパーク:シアトル桜祭発祥の地。三木元首相からの桜が植えられている。
  ワシントン大学:クアッド広場の桜はシアトルで有名。
Chef Nakajima   シアトルセンター:シアトル桜祭の開催地。天皇陛下が御手植えになられた桜も、現在はシアトルセンターにある。

○桜の花の塩漬けはどのように作られたのですか?
答:アイ・ラブ・ズシ・レイクベルビューの中島オーナーシェフにお願いして、塩漬けにして頂きました。

○桜の花の塩漬けの作成に苦労した点はありますか?
答:桜花の塩漬けは、本来、色が濃い八重桜を使用しますが、今回は時間的な制約から、富士と染井吉野の桜になりました。水洗いした桜花に、塩と酢を加えて重しをし、余計な水分を抜き取り、軽く乾かせば完成です。中島シェフによると、心配した点は、水があがるのに時間がかかったということでした。

○桜の花の塩漬けはどうやって利用するの?
答:お湯を入れて、桜湯として飲むのが婚礼など、一般的ですが、ご飯に混ぜて頂いたり、デザートのアクセントとして、利用したりすることもあります。皆様も是非、桜の花の塩漬けの作成にトライし、桜の季節後も楽しんでみては如何でしょうか。

(参考)中島オーナーシェフによる桜の花の塩漬けレシピ

Sakura in Seattle*桜花の2割ほどの塩(今回、シーソルトを使用)をして重しをして冷蔵庫の中で水が出るまで3-4日置きます。

*軽く絞り米酢とレモン汁を合わせた液に桜の葉のお茶を入れ香りを移した物に小一時間漬け込みます。

*取り出して軽く絞りざるに広げて3日程風干しします。

*新たに塩を振り保存します。