東日本大震災発生から2年にあたって
2013年3月
在シアトル日本国総領事館2011年3月11日の東日本大震災発生から2年が経過しました。震災発生直後から現在に至るまで,当地をはじめ世界各国・各地域から寄せられた多大なる支援に感謝申し上げます。
現在,日本は,「経済回復」「復興」「危機管理」の3本柱で「日本再生」に向けた取組を全力で進めております。具体的には,国内経済の安定化と更なる成長を期するのための10兆円(約1,060億ドル)規模の予算措置,2012年度補正予算及び2013年度予算における被災地復興関連予算の拡充,学校・高速道路・橋梁などの社会インフラの整備に対する2.2兆円(約234億ドル)の財政出動などが挙げられます。これらのインフラは緊急時の避難拠点や輸送ルートとして重要な役割を果たすこととなります。地域別では,原子力発電所事故の影響を受けた福島県の地域復興と再生に向けた取組を加速していきます。
日本は復興に向けて着実に歩んでおります。例を挙げれば,これまでに,震災により移転を余儀なくされた32万人全てに対する公営住宅や仮設住宅の整備が完了,震災で閉鎖された184の病院のうち90%に当たる165箇所が再開,震災で閉鎖された2,325の学校のうち77%に当たる1,801箇所で授業再開,そして,2011年には622万人まで減少した訪日外国人観光客数も2012年には震災前と同水準の837万人にまで回復いたしました。
これらの復興に向けた取組は,被災地である東北地方の秘めている可能性を最大限に引き出しつつ,日本全体の経済回復に資する形で進めて参ります。また,海外のパートナーとの連携を維持するべく,関連事業への海外企業の進出・参画を歓迎いたします。
3月10日(日),当地コミュニティの多くの協力を得て,ワシントン州日米協会,シアトルセンター及び当館の共催による東日本大震災2周年追悼行事 “Shout Out to Japan! Cheers from Seattle” が開催され,各界著名人やシアトルゆかりの方々から温かいメッセージをいただくとともに,当地と日本の深い絆,復興を着実に遂げつつある日本の姿をご覧いただきました。
ワシントン州と兵庫県の姉妹州県関係発足から今年で50周年,そして,モンタナ州も熊本県と長年に渡る姉妹州県関係を築いてきており,当地と日本は大変密接な文化的・経済的連携関係にあります。この関係を一層強固なものとすべく,そして,復興・再生する日本の姿を実際にご覧いただくべく,是非,日本を訪問していただければと思います。