領事館安全情報
在留邦人の皆様へ(シアトル総領事館からのお知らせ)
在シアトル総領事館からのお知らせ
2010年7月20日
ウエストナイル熱・脳炎に関する注意喚起
1.ウエストナイル熱・脳炎感染者の報告
ウエストナイルウイルスは1937年にウガンダで初めて確認された後、アフリカ、西アジア、中東、ヨーロッパ等で感染者が確認されています。1999年に米国ニューヨーク市周辺でウエストナイル熱の流行が報告されて以来、毎年蚊の活動が活発になる7月から年末にかけて主に米国、カナダなど北米地域でウエストナイル熱・脳炎感染者が報告されています。
米国疾病管理予防センター(CDC)によれば、2010年7月14日現在、米国内で4人のウエストナイルウイルス感染者(死亡者0人)が確認されており,ミシシッピー州で脳炎患者が報告されています。州別の感染状況は以下のとおりです。最新の感染者数等については、CDCのホームページにて御確認ください。
(http://www.cdc.gov/ncidod/dvbid/westnile/surv&controlCaseCount10_detailed.htm)
ジョージア州 2人
ミシシッピー州 1人
ノースダコタ州 1人
2.ウエストナイルウイルスについて
(1)感染源
ウエストナイルウイルスはウイルスを保有する蚊(イエカ、ヤブカなどに刺されることで感染します。
ヒトからヒトへの感染や、感染した患者から感染が拡大することはありません。
(2)症状
ウエストナイルウイルスに感染し発症した状態がウエストナイル熱といわれるものです。発症するのは2割程度(潜伏期間は通常2~6日)で8割の人は無症状です。発熱(39度以上)、頭痛、筋肉痛、時に発疹、リンパ節の腫れなどの症状が3~6日ほどみられますが、通常は1週間程度で回復します。また、ウイルスが脳に感染して更に重篤な状態となるのがウエストナイル脳炎で、激しい頭痛、意識障害、痙攣、筋力低下、麻痺などの症状が数週間続き、後遺症が残ることもあります。ウエストナイル脳炎を発症するのはウエストナイル熱感染者の約1%と言われています。また、重篤な患者は主に高齢者にみられ、重症患者の3~15%が死亡すると言われています。
(3)治療・予防方法
現在のところ、ウエストナイルウイルスに対するワクチンはありません。また、ウエストナイル熱やウエストナイル脳炎に対する特効薬もなく、症状を軽減するための対症療法が中心となっています。蚊に刺されないようにすることが最大の予防策です。戸外に出るときは、虫よけスプレーを使用したり、できる限り長袖、長ズボンを着用するようお勧めします。