太田総領事メッセージ:東北地方を中心とする大規模地震の発生について
シアトル市及びワシントン州在住の皆様へ
3月11日(金)に我が国東北地方を襲った地震・津波の被害に対して、これまで皆様から多くのお悔やみのメッセージが寄せられており、ここに厚くお礼を申し上げます。皆様からの暖かい思いやりに私共も大きな感動を覚えています。
1.我が国は、地震、津波、そして火山の被害を受けやすい島国であり、自然災害への対策には最優先をおき、備えてまいりました。高度な耐震建築技術・工法に精力を傾けて参りました。2007年には、地震活動をモニターし、テレビ、ラジオ及び携帯電話を通じて警告メッセージを発出する全国規模の「緊急地震速報」システムを運用しております。この通報システムにより、例えば住民に地震に先立つ数秒間、先の安全を確保する時間的余裕を確保し、また、走行中の新幹線を自動制御させることが出来ます。
2.今次地震は、マグニチュード9.0であり、我が国史上で最大と記録されており、世界でも4番目に激しい地震でした。それにもかかわらず、高層ビルで崩壊した建物は無く、震災地域を時速200マイルで走行していた新幹線の数千人の乗客になんら被害はありませんでした。
しかしながら、この巨大地震により引き起こされた津波は、私達の想像を絶する規模のもので、津波警戒システムも運用してはおりましたが、次々と打ち寄せる津波の高さは、津波測定の水位計を超えるものでした。この結果、多くの市や町が押し流されてしまいました。
3.わが国の政府と国民は、1万人以上に上る犠牲となり、あるいは行方不明となられた方々に対し、深い悲しみを覚えています。私達は、この悲しみをご家族、ご友人、そして米国民の皆様に分かち合うものです。
菅直人総理大臣の下、我が国政府は、全力を尽くして、この災害の生存者を救援・支援し、また、福島原子力発電所の原子炉をクールダウンしております。私達1億2,800万人の日本国民は、かつて無く一致団結し、助け合いの精神で、平穏かつ秩序を保って取り組んでおります。全ての国民がこの三重の災害を克服し、被災地域の再建のために尽力しています。
4.多くの諸国、特に米国から、我が国への支援表明がされています。米国からは災害救助隊が派遣されており、そして、米海軍第七艦隊より、空母ロナルド・レーガンはじめ、10隻あまりの艦船が津波が襲った海岸の沖合で、我が国当局の救援活動を支援してくれています。私達は、米国からのこの支援に対して心より感謝しております。
ワシントン州の政府と住民の方々に対し、皆様方より頂いたご同情と我が国の被災者を支援したいとするお気持ちに対し、感謝の念を改めて申し述べたいと思います。私達は皆様方の暖かい思いやりに感動しています。
「苦しいときの友こそ真の友」
有難うございました。
平成23年3月16日
太田清和
在シアトル日本国総領事館総領事