稲垣久生(いながきひさお)総領事着任のご挨拶
この度、在シアトル日本国総領事として着任しました、稲垣久生(いながきひさお)です。
まずは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、日本や米国、また世界各地で羅患された方々に心からお見舞い申し上げるとともに、お亡くなりになられた方及びそのご遺族の方に哀悼の意を表します。また、最前線でご活躍されている医療従事者や関係者の皆さまに心から敬意を表します。 総領事館として、管轄するワシントン州、モンタナ州及びアイダホ州北部に在住する約18,000人の邦人の皆さまの安全・安心・健康を維持するため、皆さまのお役に立つ情報を迅速にお届けできるよう努めてまいります。どうか一緒にこの危機を乗り越えていきましょう。
シアトル及び周辺の大都市圏地域は、米国西海岸でも最も急速に変化・発展している都市の一つです。 ボーイング社の発祥の地として航空宇宙産業が大きく発展し、近年ではITを含むハイテク産業の発展が目覚ましく、AI(人工知能)の研究開発やクラウド・コンピューティングで世界中の多くの技術者・研究者を惹きつけ、世界をけん引しています。 アマゾン社やマイクロソフト社を始めとする当地企業は、コロナ禍の新たな生活様式においても必要不可欠な存在として、既に我々の生活に深く入り込んでおり、引き続き当地の企業が「ニュー・ノーマル」を引っ張っていくことになるでしょう。 また、生命科学の分野でも、ゲイツ財団を始めとする当地の企業・団体等がグローバルヘルスをけん引し、新型コロナウイルスで混乱する世界でも存在感を示しています。 このような世界の最先端のビジネス環境にあるシアトルの地に赴任できたことを大変嬉しく思っています。
また、当地には19世紀後半に日本からの移民が定着し、製材所や鉄道敷設労働への従事を経て農業の重要な担い手となった後、第二次大戦における強制収容という苦難の歴史を乗り越えてきたという、百数十年にわたる日系人の歴史があります。こうした私たちの同胞である先人達が歩んできた歴史を学びつつ、管轄諸州・地域と日本との友好関係を更に深め、強固なものとしていきます。皆様のご協力をいただきながら、一人でも多くの米国の方々に日本の魅力を紹介し、協力関係の発展に向けて努めてまいります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
2020年8月26日
在シアトル日本国総領事 稲垣 久生 |